2014年08月28日
行政視察報告「呉市 病児・病後児保育事業」
新城市で、住民の目線で地方政治にとりくむ日本共産党の浅尾洋平市議会議員です。自民党VS共産党。集団的自衛権反対!原発ゼロで、自然エネルギーのまちづくりを目指します。新城が消滅都市にならないように人口減少ストップ!で頑張ります!「しんぶん赤旗」をお読み下さい。日曜版 ・日刊紙があります→http://www.jcp.or.jp/akahata/
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いよいよ、9月議会もはじまりました。色々と準備に忙しいですが、市議会議員として、市民の声を市政に届ける事を使命に、日々こつこつと頑張ります。今後ともよろしくお願いします。
以下は行政視察の報告です。
行政視察(平成26年7月15〜16日) 厚生文教委員 浅尾洋平
「呉市病児・病後児保育事業」報告
〈目的〉
現在、子育て世代を取り巻く環境は急速に厳しい変化をしています。第一に核家族化が進んでおり、以前のように親や親戚の助けが得られる状況ではありません。第二は、働き方です。共働き・低賃金・夜勤など、働き方の多様化が一般化しており、いずれの場合も、子どもの急な病気の時の対応が困難になっています。
例えば、わが子の看病の為に一緒にいてあげたい気持ちがあるものの、核家族・共働きの世帯では対応に苦慮します。父親か母親か、どちらかが仕事を休むか、あるいは勤務時間の変更などを行わなければなりません。
このような時、「病児・病後児保育事業」という公共サービスが存在し、子育て世代が利用することが出来れば「子育てしやすいまち」「共働きの子育て世代の心強いサポートがあるまち」として認知されると思います。
そこで私は、「病児・病後児保育事業」の先進事例として、広島県呉市へ行政視察を行わせて頂き、人口減少が激しい本市に少しでも取り入れられる点を学びたいと思いました。
「消滅可能性都市」の汚名返上のためには、本市で子育てをしたい、子育てしやすいと言う「子育て世代」を増やすことです。そのための戦略的な施策の一つとして「病児・病後児保育事業」を位置づけることが出来ないかという問題意識を持って広島県呉市を訪問しました。
〈視察内容〉
・ 病児・病後児保育事業実施の経過について
「保護者の子育て」と「就労」の両立支援を目的に、平成14年1月から「乳幼児健康支援一時預かり事業」としてスタート
すこやか病児保育室(船橋産婦人科)
利用料 1日 2000円
(減免1 生活保護世帯、所得税、市民税非課税世帯 0円)
(減免2 所得税非課税世帯 1000円)
定員8人(参考:延べ利用人数 H13年度64人 H14年度 502人)
・対象
① 市内に住所があり居住している児童
② 市内の保育所・幼稚園・小学校3年生までの児童
③ 病気等で集団保育等が困難で安静の確保が必要な児童
④ 保護者が勤務等で家庭での保育が困難な児童
・ 現状
呉市の人口
・ 236,856人
・ 0〜5歳 人口 10,589人
・ 6〜11歳 人口 10,882人

病児・病後児保育事業 施設数2カ所
◯「すこやか病児保育室」=船橋産婦人科併設(5分以内の渡辺小児科医との連携)
旧呉市の西側に位置しており、約5万人規模の地区にある
H25年の実績 延べ利用児童数 1072人
実利用児数 548人(約1人が2日の利用)
委託事業費 1,455万円
◯「ほっぺ病児保育園」=個人医院(内科・小児科併設)
旧呉市の東側に位置しており、5万人規模の地区で若い方が多く子どもの多い場所。
・ H25年の実績 延べ利用児童数 1709人
実利用児数 685人
委託事業費 2,100万円
※ どちらの施設も、月〜土曜日 8時〜18時まで 利用料は2000円
定員 7名 (しかし状況を見て最大10名まで対応可)
実際に利用するには
事前登録
・利用が速やかにできるよう実施施設または子育て施設課に事前登録する。
利用
・ 実地施設への予約が必要。事前に電話等で確認。
・ 利用申請書を実施施設の提出する。
〈課題〉
呉市によれば、現在、利用者に対し「お断り」するケースはないとのこと。市民のニーズには概ね対応出来ていると考えている。しかし「病児・病後児保育事業」のニーズは、増加傾向にある。市民アンケートでは広く認知されている(7割)。そのうち、おおよそ9割の方が「利用したい」と言う結果が出ている。そうなると、現在の2カ所だけでは、将来、対応するのが難しい、あるいは「少ない」と考えている。呉市は、広く、どこに住んでいても公平にサービスや子育て支援の事業が受けられるようにしなければならないとも考えている。
そのためには、医師会との連携が不可欠である。また採算性やリフォーム援助金、そして保育・医療分野での日常的な人手不足を解消しなければならない。すなわち医師・看護師・保育士の確保の問題である。さらに利用者も病気になるという不確定な場合もあり、なかなか事業拡大へと進めないという。
〈感想〉
広島県呉市の、病児・病後時保育の取り組みを担当者から聞き、また「すこやか病児保育室=船橋産婦人科併設の現場」の視察をさせて頂きました。
私は、あらためて「保護者の子育て」と「就労」の両立支援を進めるまちづくりには必須の事業だと思いました。
そして市の担当者が、常日頃から、この事業を実現させ、向上させる為に、市民の声を聞き取り(アンケート)、医師のできる事・行政のできる事・医師会ができる事等を、お互いに連携しながら進めている事も分かりました。幼い生命を預かる事業だけに、たいへんきめ細かな活動だと分かりました。
「すこやか病児保育室」の医院長の話を聞かせて頂く事が出来ました。病児保育室は、4種類ぐらいの異なった病気の子どもが同時に来ても対応できるような部屋となっており、たいへん感心しました。
また、医療現場の慢性的な人手不足の中で、診療とは別に、病児保育を行う事は、地元の献身的な医師の支えがあり、日頃から人間関係を大切にするまちの風土も必要だ、と感じました。
大変貴重な勉強になる視察でした。
いまから25年後の新城市では、若年女性(20〜40歳)が56%も減少し「消滅可能性都市」になると指摘されています。そうならない為に、行政は迅速かつ戦略的な施策を打つ必要があると思います。「病児・病後児保育」を新城市で行うことができれば、子育てしやすいまちの実現の「大きな一歩」となります。本市の魅力になるでしょう。
まずは、医師会・市民病院の医師と看護師と事務、保育士、市民・保護者の意見を聞きとり、関係者との調整を行いながら進めていく事が必要だと思います。
是非、実現の為に、私も、各担当課と相談しながら全力を尽くしたいと思います。
以上
平成26年8月25日 浅尾洋平