2025年04月02日

市民の声が届かない予算!令和7年度当初予算の問題点と私の反対討論

令和7年3月議会において、私は新城市の当初予算案に対し、反対討論を行いました。予算の使い方を見直し、市民の暮らしを真に支える施策へと転換する必要があると考え、7つの事業に焦点を絞り、具体的な見直し案とその根拠を述べました。以下に、私の討論内容を全文公開します。ぜひご一読いただき、皆様のご意見をお聞かせください。

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第29号議案 令和7年度 新城市一般会計予算
日本共産党の浅尾洋平です。 私は、反対の立場で討論を行います。
本予算には、私が令和3年から議会で訴えてきた難聴高齢者への補聴器補助事業が加わり、また昨年度からスタートした18歳までの医療費、入院・通院ともに無償となる制度も軌道に乗り、これらの取り組みを評価しているところです。


しかし、市行政をチェックする議員の目で予算案を分析するとき、全体としての評価や、無駄な事業・不要不急の事業があることを指摘しなければなりません。 今年度予算は、給食センターなど大型の大型公共事業が終わったものの、昨年度とほぼ同規模の総額249億7000万円であります。その理由は、予算大綱にあるように予算全般にわたり物価高騰・人件費などの増加が影響しています。 大綱は「人口減少時代に対応し得る自治体改革に向けた予算」と言っておりますが、私は、下江市政4年間を振り返るとき、定住人口を増やす施策が十分に進まず、人口減少に歯止めはかかりませんでした。また、市職員の不祥事が相次ぎ、むしろ市民の暮らしが悪化したと考えることから、本予算は、市長のこれまでの取り組みを十分に反省したものとは言えないと思います。 

1点目、市長は予算大綱で、企業進出による市税収入の維持を目的とし、新城インターチェンジ周辺の新たな事業計画を進めるとしています。そして市は、法人市民税の景気動向を、企業向けアンケートから堅調・拡大傾向と見込んでいます。
しかし私は、市が、いま目を向けなくてはならないのは、地域経済を支える中小の事業者だと思うのです。
すでに新城市の観光業では、昨年6月に廃業した旅館があり、湯谷温泉源使用料が減額となっています。鳳来寺パークウェイ駐車場の料金も利用者の減少で前年度比で減額です。私は、あらゆる物品やサービスの価格高騰が続くなか、地域経済の先行きは楽観できないと思います。

2点目、無駄な事業・不要不急の事業が目に余るということです。私が、市民の要望を訴えますと、必ず、市側から「お金がない」「財源がない」と言われます。
しかし、私が、これから指摘する多くの事業を見直せば、市民のみなさんの暮らしの応援に活用することが出来るということを訴えたいと思います。 まず、ニューキャッスル会議の共同実現事業447万円です。今年は、ヨーロッパ東部にあるラトビアで開催される会議に出席する経費が含まれるそうですが、市民からは、この会議の意義と成果がわからない。市内の子どもの貧困対策の支援にお金を回した方が良いのではないかと言う声があります。事業の再検討を求めます。



次に、市長選挙立候補予定者公開政策討論会(自治基本条例運用事業)151万円です。これも、私が何度も指摘してきたことですが、この事業自体が、憲法と公職選挙法に反する可能性があります。
現職の市長が、税金を使って市長候補の討論会を開くことは、参加しない候補に不利益をもたらし、結局、強制的に参加させる状況につながります。また、公選法が禁止する「寄附行為」に該当するおそれもあります。候補者によっては有利・不利が生じ、公平性の確保に課題があると考えます。そもそも、市長選挙への関心を高める役割は、市長ではなく、選挙管理委員会の職務です。

3つ目の無駄な事業は、高速バス事業3140万円です。採算ベースで、大型バス1台あたり24人以上乗るところ、平均乗車人数8.5人です。ひと桁台です。ジブリパークの特需も今のところ感じられません。 私は、高速バスの事業費をSバスの充実に回すべきだと訴えます。
ここで、厳しく指摘しなければならいことは、4年前に当選した下江市長の目玉政策、後期高齢者Sバス無償化の予算がないということです。質疑しますと「まだ実現段階に無い」という答弁でした。「政治は結果責任」と言われますが、これは、市長の公約違反と言わざるを得ません。




4つ目の見直しすべき予算は、地域自治区費です。 自治振興事務所長6人の人件費は、年1824万円にのぼります。内訳は、1人月額22万円+1地区あたり2万円の加算であります。 市は、所長のみなさんを「まちづくりの要」と位置づけますが、市のホームページには、所長6人の名前も選定方法も明らかになっていません。極めて無責任ではありませんか。私は、掲載を求めます。

一方、地域協議会委員は226人で、報酬の総額は年939万円です。所長の人件費と合わせて、約3000万円もの予算が使われる事業でありますが、市民のみなさんに話を聞きますと、区長と兼任している人もおられるということで「二重行政ではないか」という厳しい声があがっております。さらに「効果が分からない」「人件費が高すぎる」と言うのです。地域を担う人材が不足するなか、任務の負担軽減が不可欠です。地域自治区制度と区長制度の「二重行政」の総点検・見直しを強く求めます。




5つ目は、地域の人事部組織機構準備の予算643万円です。これは、まちおこし協力隊が、市内の企業と地域の人材育成や若い人の就職のマッチングなどを行うためのものです。令和10年を目標に法人化するとのことですが、私が見る限り、極めて高度な内容であり、事業の持続性に疑問を感じます。


他方、市が援助した法人・市観光協会の混乱は、前代未聞です。今年度も、支援事業費3000万円が計上されています。本当に大丈夫なのでしょうか。
先の一般質問や質疑で明らかになったことは、観光協会のズサンな運営を見逃し、頑張っている現場の職員3人が辞めさせられ、いなくなる方向との事です。現場を知る者が誰もいないという異常な状況で、市の職員を派遣して協会の仕事を4月から全てやるというわけであります。これは、もう、ただの市行政そのものです。一社化した意味は、もうありません。
私自身は、現場を知る職員3人が留任した上でなら、観光協会の事務局長ポストに市職員を派遣して、とりあえずの正常化、再生の道も考えられると思いましたが、協会は、人員整理を強行してしまいました。誰も責任をとらず、現場の協会職員だけがクビになるというのは、絶対に許されないし、私は、市税を預かるトップの下江市長の責任を問いたいと思います。

6つ目は、学校給食施設整備費・学校給食施設改築事業にかかる1億2456万円です。これは、新城小学校給食受入施設工事費用であります。 すでに学校給食センター化が始まっているにもかかわらず、未だに、新城小学校には、正式な給食を受け入れる施設が無いため、予算化したわけです。


現在、仮の受け入れ施設で対応しているわけですが、これまでの現場の混乱は、とにかく給食センターを建設する、巨額のハコモノ事業を優先してしまった結果ではないでしょうか? また、学校給食センターの稼働から4ヶ月で、私が予見した、あってはならない異物混入事案が令和7年1月に発生しました。


私は、この事業が、計画段階から極めてズサンであったか、繰り返し訴えてきました。市は、新城の宝であった「自校方式」を廃止し、給食センター化にする理由として「衛生管理の徹底が出来るため」と言ってきましたが、供用開始に間に合わない学校は「仮施設」となり、異物混入によって、提供予定の17の小中学校で、3167人へ炊飯が中止となり、おかずだけの提供となりました。 市長、いったい、この責任は誰にあるのでしょうか。この異物混入事案は、調理委託先も市トップ3役も誰も責任をとっていません。これは、問題だと考えます。

最後に7つ目、市は、このような学校給食共同調理場運営事業に今年度5億0473万円を計上しています。 従来の自校方式だったら、炊飯は実績ある委託業者のため異物混入は無かったと思います。

以上、たくさんの不要不急の事業、税金の無駄だと思われる事業を紹介してきました。 私は、これらの事業を見直したり中止したりして、医療・教育・地域経済などに回せば、どれだけ市民のみなさんに喜ばれるだろうかと思います。 いま、市民のみなさんからは、昨年来の市職員の度重なる不祥事も相まって、下江市政そのものの見直し、中止の声もあがっていることを紹介し、反対討論といたします。



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プロフィール
浅尾洋平
浅尾洋平
浅尾洋平(あさお ようへい)

1977年生まれ。
千郷小・千郷中・豊川高校卒
豊橋市立看護専門学校卒
1998年〜2009年豊橋市民病院、育児休暇取得。救命センターICU・手術室を経験
2009年〜2012年新城市民病院で看護師として勤務し退職。JPTEC認定取得(外傷病院前救護処置)
2011年度 新城市省エネコンテスト 削減率部門第3位受賞。日本共産党新城市福祉・子育て対策室長 2013年 新城市議に初当選し 現在3期目。
家族は妻、1男1女