2024年06月10日

当初予算に反対しました!(令和6年度当初予算)

3月議会の反対討論(主な内容)を掲載します。
今日は、第20号議案 令和6年度新城市一般会計予算

私は、令和6年度一般会計予算(新年度予算案)には多くの無駄な事業があると考えます。新城市は人口減少と少子高齢化で地域崩壊が進み、税収減少により市民や事業者の生活が困難になることが予想されます。この状況で不要不急の事業費を計上するのは問題です。具体的にな事業名もあげて反対しました。

・・・・・
第20号議案 令和6年度新城市一般会計予算

日本共産党の浅尾洋平です。私は、反対の立場で討論いたします。
 
私は、新年度の一般会計予算が、市民生活に直結するものであることは、重々、承知しています。しかも、議員である私が、この議会で何度も訴えてきた施策が実現しており、その点については評価いたします。例えば、子どもの通院医療費を18歳まで無償化する予算が実現しております。これで新城市は、入院・通院ともに医療費が無料だと胸を張ることが出来ます。また、児童・教員用の洋式トイレの拡大であります。令和6年度は、千郷小学校・鳳来中部小学校・東陽小学校・鳳来東小学校のトイレ洋式化と床コーティング工事の予算が計上されており、多くの子どもたちが、衛生的な環境で学びを保障する立場で質問してきた私も、これらの取り組みを評価いたします。

しかし、このような積極的な意味をもつ令和6年度一般会計予算でありますが、残念ながら、見落とすことが出来ない無駄な事業がたくさんあることを指摘しなければなりません。とくに、歳出において、不要不急の事業費が目立つことであります。

新城市は、深刻な人口減少・少子高齢化のもと、地域コミュニティーが崩壊していく最中にあります。
今後、ますます税収が減少し、市民の暮らしや事業者の営業が、成り立たなくなる将来が見えています。このような前提をふまえるとき、私は、前年度と変わらることのない不要不急の事業費を計上することは許されないと思うのです。
 
ここで、不要不急の事業費とは何か、いつくか紹介いたします。
 
まずは,
◯市長選挙立候補予定者公開政策討論会(自治基本条例運用事業)271万円です。
これは、私も、これまで何度も質疑してきた通り、憲法・公職選挙法違反に問われる恐れのある施策です。
現職の市長が、税金を使って、市長立候補者の討論会を開くことは、それに参加しない候補者に不利益に働くために強制参加となりかねず、逆に「政治活動の自由」を制限する憲法違反、公職選挙法違反の恐れがある、と指摘しておきます。また、そもそも、市長の市長選挙の関心を高めることは、本来、市長の仕事ではなく、選挙管理委員会の仕事だと考えます。
この条例を議論した、市民自治会議の議事録を読んでいただきたいのですが、この市長立候補者の討論会条例は、市民の自発的な要望から出てきたものではありませんでした。自由・公正な選挙を守るため、下江市長は、穂積前市長の「アンタッチャブル(手をつけてはいけないこと)」な手法から手を切るべきだと訴えたいと思います。
 
次に、
◯高速バスの運営費3100万円です。運営費2437万5千円+清算金662万5千円です。
私は、何度も訴えていますが、高速バスの費用対効果が、全然、出ていないわけですから、すみやかに中止し、子育て施策や高齢者福祉の予算や、Sバスの充実に回すべきだと思います。2016年の導入から7年、いったい、いくら税金が投入されたのでしょうか。繰り返される「500円キャンペーン」は、市民の間に不公平感を広げています。
下江市長は、予算大綱で「限られた予算の中で」とか「個別事業の精査と取捨選択」とか「事業の大胆なスクラップもさけられない」と言っておりますので、ぜひ、しっかり検証していただきたいと思います。

地域自治区費も市民から批判が寄せられている問題です。
◯自治振興事務所長6人の人件費に、年間1824万円も計上しているのは、理解できません。市は所長は、まちづくりの要といいますが、市のホームページには、所長6人の名前すら出ていません。6人の人件費合計で年間1824万円も税金が計上しているので、各所長の名前はHPに掲載するべきだと考えます。

市民のみなさんに話を聞きますと「二重行政ではないか」という声も出てきています。区長の仕事と自治振興事務所長との仕事がダブっているのではないか、効果がよくわからない、人件費がかかりすぎる。と言うのです。

◯地域自治区費については、ある行政区のマスコットキャラクターの着ぐるみ作成に80万円とかホームページ作成等に330万円とか計上されており、本当に、このような税金の支出が必要なのか、費用対効果も含めて極めて疑問です。私は、10年目の節目となる地域自治区制度を点検・見直すべきだと思います。
 
大問題だと思われる支出もあります。
まず第一に、放課後児童クラブとハートフルスタッフの運営民営化です。
私は、さきの一般質疑でも明らかにしましたが、これら民営化が「行政改革」の一環として強行されることに大変な違和感をもちます。現場で働いてきた専門職のスタッフや保護者・生徒の気持ちに寄り添ったものではありません。
市は、今後の協議、民間委託で問題となる指揮命令権や配置、責任の所在など決めるということで、手続きが逆だと思います。なぜ、こんなことが起きるのでしょうか。
私は、いったん民間委託は中止し、新年度は、改めてアンケート調査を行ったうえで、信頼がおけるNPO団体や豊川市のような「保護者会運営方式」などを検討することを提案します。
 
第二の大問題は、こども園再編・整備計画策定事業です。
これも、私の一般質問で、策定事業にかかる「人口基礎データ」が実態と合っていない状況が明らかとなりました。
これは、再編・統合の根本のところが崩れたと言っていい事態です。
こども園の統廃合の決定は、学校給食共同調理場と同じ、大変な事態を招くのではないでしょうか。
市の、早急な再編・統合の計画について、保護者のみなさんは、いま「そんなの知らなかった」「うちの子は、ちさと中こども園にいるのに、3年後、どうすればいいの?」と困惑の声を私に寄せています。
また、ちさと中こども園の建て替え問題では、災害の耐震の期限が過ぎているので、一刻も早く「現在地」で建て替えるべきです。私は、地元のみなさんの、長い議論の積み重ねと、現在地の豊栄で建て替えるべきだという署名運動、保護者の声を無視するべきではないと考えます。
 
第三の大問題は、やはり、学校給食の施設整備費です。
学校給食施設改築事業と学校共同調理場運営事業の合計で、なんと13億5382万円以上も計上しています。私は、この事業が、そもそものところからオカシイことを訴えてきました。前市長のとき、実施設計それ自体に問題があったことは、議員のみなさんは、ご存知だと思います。それが現在、いよいよ給食を受け入れるという段階になって、今年の夏休み中に工事が終わらず、給食不可となる学校が生じているのです。
市の見込みの甘さによる問題です。

◯千郷中学校では、人力で、給食を2階まで運ぶとか、東陽小学校の生徒は、バスに乗って鳳来中学校に食べに行くとか、信じられない状況です。
さらに今議会では、東郷東小学校でも追加で給食不可となり、その対応の影響で、作手中学校の生徒が、作手小学校まで食べに行かなくてはならない状況です。

こんな計画を進めていいのでしょうか? 今回の質疑で新たに、リフト更新・改修工事期間は、給食の手運びが必要となる学校が増えることがわかりました。それは、千郷小学校・東郷西小学校・舟着小学校・八名小学校・東郷中学校・八名中学校です。ほとんどの学校が当初計画の市の説明と異なります。給食の手運びを行っていた時、子どもが転んで、火傷やケガが生じないか心配です。

市は、自校方式から給食センター化に移行する理由として「衛生管理の徹底」をあげていましたが、供用開始に間に合わない学校は「仮施設でいい」「暫定受入」と言うようになってしまいました。衛生面の問題意識は、どこに行ったのでしょうか?
 
この大問題にかかわって、私が、市の執行部と議員のみなさんに最後に訴えたいことは、新城市の子どもの数について、です。令和10年、新城市内の新一年生の数は183人となる予定です。つまり、小中学校の生徒の総数が、いよいよ2000人を大きく割っていくのです。それにもかかわらず、1日3,500食分も作る巨大な「学校給食共同調理場」が、本当に必要かということであります。議会では、学校給食センターが完成していないというのに、すでに、議員の一般質問で、余剰の給食を高校やこども園、老人ホームなどに利用できないのか?という質問が出てくるのは無責任ではありませんか。

そもそもの段階から1日3500食分をつくるという想定自体が、度重なる不祥事と計画変更で、令和4年9月の完成予定が2年延長し、想定した時点よりも子どもの人口減少が進み、人口に見合った再設計はされず、過大なまま事業が進んだと言わざるを得ません。
以上、たくさんの不要不急の事業、税金の無駄だと思われる事業を紹介してきました。
私は、これらの事業を見直したり中止したりして、医療・教育・地域経済などに回せば、どれだけ市民のみなさんに喜ばれるだろうかと思います。

いま、市民のみなさんからは、昨年来の市職員の度重なる不祥事も相まって、下江市政そのものの見直し、中止の声もあがっていることを紹介し、反対討論といたします。
 

反対したのは、浅尾議員 山田議員 今泉議員の3人だけでした。

賛成議員と反対議員


当初予算に反対しました!(令和6年度当初予算)

同じカテゴリー(政治)の記事画像
【議会報告できました!】3月議会の報告です!
新城市の個人情報、どう守る? 除外申請の新しい一歩
新城市の国保税値上げ予算に反対する理由
市民の声が届かない予算!令和7年度当初予算の問題点と私の反対討論
物価高の中で負担増!国保税の値上げに反対します
市民に国保税値上げを押しつけ、市長の手当アップは納得できない
同じカテゴリー(政治)の記事
 【議会報告できました!】3月議会の報告です! (2025-05-03 11:03)
 新城市の個人情報、どう守る? 除外申請の新しい一歩 (2025-04-17 22:55)
 新城市の国保税値上げ予算に反対する理由 (2025-04-10 19:02)
 市民の声が届かない予算!令和7年度当初予算の問題点と私の反対討論 (2025-04-02 12:24)
 物価高の中で負担増!国保税の値上げに反対します (2025-03-27 22:34)
 市民に国保税値上げを押しつけ、市長の手当アップは納得できない (2025-03-24 16:52)
Posted by 浅尾洋平 at 17:47 │Comments(1)政治議会活動日誌
この記事へのコメント
新城市こども園再編・整備計画が出たようですね。

https://www.city.shinshiro.lg.jp/shisei/keikaku/keikaku-hokoku/kosodate/saihenseibi.files/gaiyouban.pdf
概要版

パブリックコメントもやっていたようですが、「千郷中こども園の建替えにつきましては、調整が難航し、他のこども園整備への影響を考慮し
て一旦白紙に戻し、市全体のこども園整備として検討することとしたものです。」と苦しい言い訳。市民の声を聞かずにこっそりやろうとするからですよ。

https://www.city.shinshiro.lg.jp/shisei/koho-kocho/kocho/pubcome/syuryo-anken/saihenpubliccomment.files/saihenpubliccomment.pdf
新城市こども園再編・整備計画(案)パブリックコメント実施結果
Posted by こども園 at 2024年07月13日 01:33
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。


< 2025年05月 >
S M T W T F S
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
過去記事
QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 26人
プロフィール
浅尾洋平
浅尾洋平
浅尾洋平(あさお ようへい)

1977年生まれ。
千郷小・千郷中・豊川高校卒
豊橋市立看護専門学校卒
1998年〜2009年豊橋市民病院、育児休暇取得。救命センターICU・手術室を経験
2009年〜2012年新城市民病院で看護師として勤務し退職。JPTEC認定取得(外傷病院前救護処置)
2011年度 新城市省エネコンテスト 削減率部門第3位受賞。日本共産党新城市福祉・子育て対策室長 2013年 新城市議に初当選し 現在3期目。
家族は妻、1男1女