2024年11月17日
なぜ私は市の決算認定に反対したのか?(R6 9月議会)
9月議会で令和5年度の一般会計決算認定についての反対討論の主な内容を以下にUPします。
・・・・

日本共産党の浅尾洋平です。第92号議案令和5年度新城市一般会計決算認定に反対する立場から討論します。
令和5年度の決算額は、歳入340億円に対し、歳出315億8996万円でありました。
私は、毎年、決算額を確認するたびに、果たして、私たちの税金が、新城市民の暮らし向上に資するものになっただろうか、と考えます。
また、下江市長が掲げた令和5年度の予算大綱と比べるとき、きちんと成果を出した決算となっただろうか、と考えます。
いま、改めて紹介しますと、市長は、令和5年度の予算大綱で「人口減少と少子高齢化の現実に負けないまち」の実現に向けて「脱コロナ元年のターニングポイント」と位置づけ、プライマリーバランスはマイナス1.3%を見込んでいるとあります。
私自身の評価としては、残念ながら「人口減少と少子高齢化」に歯止めはかからず、新城市民が直面する「現実」は、ますます厳しくなっていると言わざる得ないと考えます。
私は、令和5年度の決算認定にあたり、以下、4点にわたって指摘し、反対いたします。
1.反対する第一の理由は、人口減少に歯止めがかからなかったという点です。
令和5年度の1年間で、新城市の人口は753人も減少しました。
赤ちゃんの数は、わずか142人でした。令和6年3月時点で、本市の日本人の人口は4万1755人まで減少し、いよいよ4万人を切ることが現実味を帯びてきました。今年4月、愛知県下の市で、2回連続「消滅可能性」というレッテルを貼られた本市は、このまま定住人口を増やす政策をおこたれば、市長が掲げた「地域課題を解決する」「先進地」になるどころではありません。交流人口ばかりに焦点をあてたイベント中心の政策では、もはや「地域づくりの担い手としての、つながる市民(ひと)」の創出も難しくなると考えます。
2.反対する第二の理由は、財政の硬直化です。
決算を見てわかる通り、新城市の「経常収支比率」が92.5%と、依然として高いままです。経常収支比率は、比率が高いほど財政が硬直化していることを意味します。
適正値は、70~80%と言われていますので、それを大きく上回っています。
さらに、本市の借金返済額の割合を示す「公債費比率」は6.3%です。また、財源の余裕を示す「財政力指数」0.53と合わせて、愛知県下の市の中でワースト1位となっています(2022年から2024年の3年間の平均データ)。
市債は、R4年度の23億円から29億円へと増えました。歳入合計に占める市債の割合も10,5%と令和4年度から広がっています。市は、今後、市民病院の新築建設費やこども園の新築費用、ゆーゆーありいな整備費、インター周辺事業など、170億円近くの大型ハコモノ事業が控えています。有利な合併特例債が現在無くなった中で、今後さらに市債が増えないか心配です。
下江市長は、令和5年度の予算大綱で「将来を見据えた財政基盤の強化」を掲げましたが、私は、この決算は、残念ながら、将来への財政不安を感じさせるものだと思います。
3.反対する第三の理由は、学校給食共同調理場の建設を進めた点です。
私が、この決算で、特に問題視するのが、下江市長が進めた学校給食共同調理場の建設です。新城市の「宝」であった学校給食の自校方式を廃止し、センター方式の調理場の建設を進めたことは、本当に残念でした。
この決算では、実に22億円もの税金が使われています。その中でも、各学校受け入れ工事費用に、4億4千万円をかけました。しかし、市がいま検討しているのは、小学校の廃校の話をしています。こんなにお金をかけたのに小学校の統廃合の検討をしているのは、順序が逆ではないかと考えます。お金がもったいないとの声が市民から聞こえています。
しかし新城市の子どもの数は、これから急激に減っていきます。
6年後(令和12年度)の新1年生は、145人です。その将来を考えるとき、本当に1日3500食も提供する巨大な給食工場が必要なのか、みなさん、いま改めて考えてほしいのです。また、市は、共に育む「ともいく」と言いながら、給食センターの見学コースは調理の様子が全く見えないコースになっているのも、市のチグハグ感を感じます。
災害対策という観点からも、給食のセンター化・配送方式は適していません。
大雨や土砂崩れで道路が通行止めになると、給食の配送自体が出来なくなるでしょう。
災害に強いまちづくりのためには、避難所となる各学校の給食室が「炊き出し」の場として必要ですし、体育館にエアコンを設置することによって、より多くの避難者の拠点となるものです。本来なら令和5年度の予算で、各学校の給食室の老朽化を改善し、体育館にクーラーを設置するべきでした。
私は、下江市長は、税金の使い方を、決定的に誤ったのではないか、と考えます。
4.反対する第四の理由は、無駄な税金の使い方です。
この決算では、私が、かねてから無駄な税金の使い方だと考えている事業が目立ちます。
まず、高速バス事業です。
平成28年からスタートして8年目を迎え、穂積前市長は「ポテンシャルが高い」と言い続けてきましたが、利用者は、市が当初に掲げてきた目標4万5千人を超えることはありませんでした。
令和5年度は、1台あたりの乗車人数は8.9人にとどまりました。これに対する運行費は、約3676万円です。キャンペーン費用は、216万円にものぼります。
市民のみなさんは「過剰なキャンペーンだ」「私たちの税金で補助して500円にすれば、乗る人が増えるのは当たり前」という批判の声が上がっています。
私は、この事業は、もう中止すべきだと考えます。
新城インターチェンジの周辺整備事業も心配です。
この事業では、約1億2,931万円の予算がつきましたが、境界を確定する手続きに時間がかかり、実際に使われたのは、わずか約4万9,700円でした。予算の執行上、私は、大丈夫かな、と思いました。
今後、市は、12箇所の民間の土地を順番に購入し、最終的に3つの企業団地を作るという計画です。新たな土地を買うために、さらに税金が必要になります。
私は、この周辺整備事業、もっと現実的な規模に抑えるべきだと考えます。
すでに4億7,000万円で購入した旧養鶏場跡地に1つの企業団地を作れば十分ではないかと思うのです。
周辺整備事業の総額は、いったい、どれぐらいになるのか、私は、身の丈にあった規模にするべきだと訴えます。
新城東高等学校の跡地管理事業についても、私は、チグハグさを感じました。
市長は「市民の福祉に寄与する」活用と言いながらも、武道場や体育館を市民に使わせないという決定を内部で行ってしまいました。さらに、高校の跡地の水道管などの修繕する何百万もする予算がないと言いながら、草刈りの費用について、令和5年6月議会に870万円も計上したことを思い出します。今回の決算では草刈り費用の145万円とのことです。
質疑で、市はグランドを市民に開放しているといいますが、敷地内の水道やトイレは修繕費用がないので使えないとのこと。これでは、近年の夏の暑さで、グラウンドを使う市民が熱中症にならないか私は心配です。健康どころか命の危険を危惧します。仮設トイレも提案しましたが予算がないという理由で市は設置しないという答弁でした。
今後、サウンディング型の市場調査を行うと言いますが、民間企業を含めた大型開発に発展するのではないかと心配いたします。
最後に、私は、下江市長が掲げた「人口減少と少子高齢化の現実に負けないまち」を実現するためには、私たちの税金を、思い切って、子育て支援や若者支援、医療・福祉・介護の充実に優先的に充てるべきだと考えます。私が、これまで再三、紹介している兵庫県の明石市の政策を見習えば、新城市でも「定住人口」が増えることは間違いありません。
質疑では、市が行った「子育て支援ニーズ調査結果報告書」で、共働き家族が増え、子どもを見る人が少なくなり、園や学童の延長を求める声、育児の悩み相談できる場所の充実を求めるニーズが増えていることがわかりました。また、学校給食費の無料化を求める声もありました。一部紹介します。「子どもが3人います。1人4〜5万円かかります。年間で15万円かかってしまいます。考えるだけで息が詰まりそうです。現在、豊根村や安城市などは、学校給食費は無償化にあります。新城市においてもどうか、無償化を進めていただきたいです。少子化で過疎化にある新城市で、大事な子どもたちに私たちの大事な税金を使ってください」という市のアンケートの中の保護者の声です。市は、こうした声にしっかり応えるためにお金を使うべきだと指摘します。
そして、同時に優先すべき政策は、災害に強いまちづくりです。
地震、台風、局所的な大雨によって、新城市のあちこちで大きな被害が出るおそれが出てきました。
繰り返しになりますが、学校体育館へのエアコン設置は必須(ひっすう)です。災害時、市民の命と財産を守るインフラ整備を最優先すべき時だと考えます。
令和5年度の決算を検討したとき、私は、やはり、税金の使い方が間違っていると言わざるを得ないと考えまして、以上、反対討論といたします。
第92号議案令和5年度新城市一般会計決算認定
賛成した議員 14人
・カークランド・小野田・小林・竹下・佐宗・ 柴田・中西・村田
・山口・丸山・鈴木(達)・鈴木(長)・滝川・齊藤
反対した議員 2人
浅尾・山田
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日本共産党の浅尾洋平です。第92号議案令和5年度新城市一般会計決算認定に反対する立場から討論します。
令和5年度の決算額は、歳入340億円に対し、歳出315億8996万円でありました。
私は、毎年、決算額を確認するたびに、果たして、私たちの税金が、新城市民の暮らし向上に資するものになっただろうか、と考えます。
また、下江市長が掲げた令和5年度の予算大綱と比べるとき、きちんと成果を出した決算となっただろうか、と考えます。
いま、改めて紹介しますと、市長は、令和5年度の予算大綱で「人口減少と少子高齢化の現実に負けないまち」の実現に向けて「脱コロナ元年のターニングポイント」と位置づけ、プライマリーバランスはマイナス1.3%を見込んでいるとあります。
私自身の評価としては、残念ながら「人口減少と少子高齢化」に歯止めはかからず、新城市民が直面する「現実」は、ますます厳しくなっていると言わざる得ないと考えます。
私は、令和5年度の決算認定にあたり、以下、4点にわたって指摘し、反対いたします。
1.反対する第一の理由は、人口減少に歯止めがかからなかったという点です。
令和5年度の1年間で、新城市の人口は753人も減少しました。
赤ちゃんの数は、わずか142人でした。令和6年3月時点で、本市の日本人の人口は4万1755人まで減少し、いよいよ4万人を切ることが現実味を帯びてきました。今年4月、愛知県下の市で、2回連続「消滅可能性」というレッテルを貼られた本市は、このまま定住人口を増やす政策をおこたれば、市長が掲げた「地域課題を解決する」「先進地」になるどころではありません。交流人口ばかりに焦点をあてたイベント中心の政策では、もはや「地域づくりの担い手としての、つながる市民(ひと)」の創出も難しくなると考えます。
2.反対する第二の理由は、財政の硬直化です。
決算を見てわかる通り、新城市の「経常収支比率」が92.5%と、依然として高いままです。経常収支比率は、比率が高いほど財政が硬直化していることを意味します。
適正値は、70~80%と言われていますので、それを大きく上回っています。
さらに、本市の借金返済額の割合を示す「公債費比率」は6.3%です。また、財源の余裕を示す「財政力指数」0.53と合わせて、愛知県下の市の中でワースト1位となっています(2022年から2024年の3年間の平均データ)。
市債は、R4年度の23億円から29億円へと増えました。歳入合計に占める市債の割合も10,5%と令和4年度から広がっています。市は、今後、市民病院の新築建設費やこども園の新築費用、ゆーゆーありいな整備費、インター周辺事業など、170億円近くの大型ハコモノ事業が控えています。有利な合併特例債が現在無くなった中で、今後さらに市債が増えないか心配です。
下江市長は、令和5年度の予算大綱で「将来を見据えた財政基盤の強化」を掲げましたが、私は、この決算は、残念ながら、将来への財政不安を感じさせるものだと思います。
3.反対する第三の理由は、学校給食共同調理場の建設を進めた点です。
私が、この決算で、特に問題視するのが、下江市長が進めた学校給食共同調理場の建設です。新城市の「宝」であった学校給食の自校方式を廃止し、センター方式の調理場の建設を進めたことは、本当に残念でした。
この決算では、実に22億円もの税金が使われています。その中でも、各学校受け入れ工事費用に、4億4千万円をかけました。しかし、市がいま検討しているのは、小学校の廃校の話をしています。こんなにお金をかけたのに小学校の統廃合の検討をしているのは、順序が逆ではないかと考えます。お金がもったいないとの声が市民から聞こえています。
しかし新城市の子どもの数は、これから急激に減っていきます。
6年後(令和12年度)の新1年生は、145人です。その将来を考えるとき、本当に1日3500食も提供する巨大な給食工場が必要なのか、みなさん、いま改めて考えてほしいのです。また、市は、共に育む「ともいく」と言いながら、給食センターの見学コースは調理の様子が全く見えないコースになっているのも、市のチグハグ感を感じます。
災害対策という観点からも、給食のセンター化・配送方式は適していません。
大雨や土砂崩れで道路が通行止めになると、給食の配送自体が出来なくなるでしょう。
災害に強いまちづくりのためには、避難所となる各学校の給食室が「炊き出し」の場として必要ですし、体育館にエアコンを設置することによって、より多くの避難者の拠点となるものです。本来なら令和5年度の予算で、各学校の給食室の老朽化を改善し、体育館にクーラーを設置するべきでした。
私は、下江市長は、税金の使い方を、決定的に誤ったのではないか、と考えます。
4.反対する第四の理由は、無駄な税金の使い方です。
この決算では、私が、かねてから無駄な税金の使い方だと考えている事業が目立ちます。
まず、高速バス事業です。
平成28年からスタートして8年目を迎え、穂積前市長は「ポテンシャルが高い」と言い続けてきましたが、利用者は、市が当初に掲げてきた目標4万5千人を超えることはありませんでした。
令和5年度は、1台あたりの乗車人数は8.9人にとどまりました。これに対する運行費は、約3676万円です。キャンペーン費用は、216万円にものぼります。
市民のみなさんは「過剰なキャンペーンだ」「私たちの税金で補助して500円にすれば、乗る人が増えるのは当たり前」という批判の声が上がっています。
私は、この事業は、もう中止すべきだと考えます。
新城インターチェンジの周辺整備事業も心配です。
この事業では、約1億2,931万円の予算がつきましたが、境界を確定する手続きに時間がかかり、実際に使われたのは、わずか約4万9,700円でした。予算の執行上、私は、大丈夫かな、と思いました。
今後、市は、12箇所の民間の土地を順番に購入し、最終的に3つの企業団地を作るという計画です。新たな土地を買うために、さらに税金が必要になります。
私は、この周辺整備事業、もっと現実的な規模に抑えるべきだと考えます。
すでに4億7,000万円で購入した旧養鶏場跡地に1つの企業団地を作れば十分ではないかと思うのです。
周辺整備事業の総額は、いったい、どれぐらいになるのか、私は、身の丈にあった規模にするべきだと訴えます。
新城東高等学校の跡地管理事業についても、私は、チグハグさを感じました。
市長は「市民の福祉に寄与する」活用と言いながらも、武道場や体育館を市民に使わせないという決定を内部で行ってしまいました。さらに、高校の跡地の水道管などの修繕する何百万もする予算がないと言いながら、草刈りの費用について、令和5年6月議会に870万円も計上したことを思い出します。今回の決算では草刈り費用の145万円とのことです。
質疑で、市はグランドを市民に開放しているといいますが、敷地内の水道やトイレは修繕費用がないので使えないとのこと。これでは、近年の夏の暑さで、グラウンドを使う市民が熱中症にならないか私は心配です。健康どころか命の危険を危惧します。仮設トイレも提案しましたが予算がないという理由で市は設置しないという答弁でした。
今後、サウンディング型の市場調査を行うと言いますが、民間企業を含めた大型開発に発展するのではないかと心配いたします。
最後に、私は、下江市長が掲げた「人口減少と少子高齢化の現実に負けないまち」を実現するためには、私たちの税金を、思い切って、子育て支援や若者支援、医療・福祉・介護の充実に優先的に充てるべきだと考えます。私が、これまで再三、紹介している兵庫県の明石市の政策を見習えば、新城市でも「定住人口」が増えることは間違いありません。
質疑では、市が行った「子育て支援ニーズ調査結果報告書」で、共働き家族が増え、子どもを見る人が少なくなり、園や学童の延長を求める声、育児の悩み相談できる場所の充実を求めるニーズが増えていることがわかりました。また、学校給食費の無料化を求める声もありました。一部紹介します。「子どもが3人います。1人4〜5万円かかります。年間で15万円かかってしまいます。考えるだけで息が詰まりそうです。現在、豊根村や安城市などは、学校給食費は無償化にあります。新城市においてもどうか、無償化を進めていただきたいです。少子化で過疎化にある新城市で、大事な子どもたちに私たちの大事な税金を使ってください」という市のアンケートの中の保護者の声です。市は、こうした声にしっかり応えるためにお金を使うべきだと指摘します。
そして、同時に優先すべき政策は、災害に強いまちづくりです。
地震、台風、局所的な大雨によって、新城市のあちこちで大きな被害が出るおそれが出てきました。
繰り返しになりますが、学校体育館へのエアコン設置は必須(ひっすう)です。災害時、市民の命と財産を守るインフラ整備を最優先すべき時だと考えます。
令和5年度の決算を検討したとき、私は、やはり、税金の使い方が間違っていると言わざるを得ないと考えまして、以上、反対討論といたします。
第92号議案令和5年度新城市一般会計決算認定
賛成した議員 14人
・カークランド・小野田・小林・竹下・佐宗・ 柴田・中西・村田
・山口・丸山・鈴木(達)・鈴木(長)・滝川・齊藤
反対した議員 2人
浅尾・山田
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