2017年04月04日

第22号議案「平成29年度新城市一般会計予算案」に対する反対討論

今日は、第22号議案「平成29年度新城市一般会計予算案」に対する反対討論です。
3月議会は、「予算議会」と言われるように、その年度の市行政の主な事業と予算、そして、何よりも首長が、どのような方針のもとで納税者のみなさんの暮らしに向き合うのかを明らかにし、議会のチェックと承認を求めることになります。

新城市の議会は、市長の「予算大綱説明」があるにもかかわらず、条例によって「会派制」を廃止したため、他の自治体で行われている会派別による「代表質問」が出来ません。その代わりに委員会の代表が、委員会を代表して質問するという「ネジレ」というか、歪み・矛盾も起きています。

例えば、僕が所属する厚生文教委員会の代表が、なぜか、市長の次期選挙への思いを質問したいと主張する、という矛盾です。

会派別の「代表質問」なら当然の質問が、新城市議会では、それぞれの各委員会に所属する、考え方も党派も異なる市議のコンセンサスを前提にするため、「その質問は、厚生文教にはそぐわないのでは?」という疑問や異議が生まれるのです。

僕は、3月議会では、日本共産党の「代表質問」という位置付けで、この予算案の質疑を行い、また、市長の「予算大綱説明」という文書とセットで討論しています。最初に総論、次に各論(主な予算)で討論します。



・・・

第22号議案「平成29年度新城市一般会計予算案」に反対する立場から討論を行います。

日本共産党の浅尾洋平です。

本予算案は、穂積市長の「予算大綱説明」を読みますと、

「人口減少時代に待ち受ける前人未到の諸課題に果敢に取り組む(2ページ)」ため、「自分たちの地域は自分たちの力で守り、育てる」という立場で、
まちづくりを展望する、という位置づけで、まとめられました。

しかし「自分たちの地域を自分たちの力で」と言いながら、
1ページ目には、

「限られた人口、雇用、資源などを地方が奪い合ったり、流出抑止の名のもとに囲い込んだりする立場を斥け」、
「まち・ひと・しごと」の流動化・交流化・交流人口を加速する、とも位置づけています。

みなさん、ご承知の通り、本市の人口は、合併10年で、約5000人も減少し、
当初の5万人(現在、有権者4万人)を大きく割り込み、今後も、少子高齢化は進み、愛知県下の「市」で唯一「消滅可能性都市」との、烙印を押される始末です。

つまり、自然増減をうわまわるペースで、どんどん人口流出する可能性があるのです。

また、実際に、内閣府の「東京圏への一極集中に関する論点」の資料でも明らかですが、若者や人口流出は、東京や、名古屋、大阪の大都市へ流出しており、実際は、地方同士の(人口の奪い合いとか囲い込みという)問題ではなく、大都会が一人勝ちのように、地方の若者や人口を吸い取っている。奪っている、というのが実際の大問題なんです。

問題は、東京への若者流出、東京への一極集中。ここが問題なのです。

そうなると、本市の「人口ビジョン」や「総合政策」は、根本のところで、大きな矛盾を抱えるのではないか、と思います。
すなわち、新城市の市民のみなさんに対する、納税者に対する、本市の独自の施策は、いったいどうなるのか。

例えば、予算のついた、ある政策があるとして、それは誰のための施策なのか、という、問いかけが、常に生じるのではありませんか?

他の自治体は、自分のまちの人口流出を食い止めるために、懸命に、独自の政策を次々と打ち出しています。例えば、

豊川市の小中学校(全ての普通教室)へのクーラー設置や「ワンコインのがん検診」しかり、
東栄町・設楽町の18歳までの医療費無料化しかり、子育て世代や若者を対象とした定住促進の諸政策しかり、

田原市の学校給食費の部分的無料化の検討、医学生への奨学金制度しかり、であります。
市に税金を払っている「納税者」に対し、その福祉と暮らしを向上させるための、独自の施策で応えているのです。

他の市町村では、少子高齢化・人口減少時代の中で、生き残りをかけて、
子育て、福祉、医療の充実にしっかり目を向けているのです。
本市も、ようやく県下1、2位を争う高さの国保税を下げましたが、このような、市民のくらしを守る政策を行って頂きたいと思います。

さて、本市の平成29年度予算では、アベノミクスによる税収の大幅増や、
新東名開通による人・モノの、巨大な流動化による「特需」の期待も、残念ながら裏切られたかたちであります。

予算では、地方交付税も前年度比で1億3,000万円もの減額、この数年間減り続けています。今後さらに人口も減少し、納税者も減り、高齢化が進み、このままでは、本市の未来は、どうなるのか?という不安と危ぐの声が市民からよせられています。

私は、予算案の質疑で、

例えば、
◎6400万円にのぼる、議場等改修事業は必要なのか、と質問しました。

それに対し、市の答弁は、「音響設備」などの見積もり比較・複数(業者)の見積もりを行っていないことがわかりました。
これでは、6400万円もの税金投入の適正さが分かりません。

また、◎3700万円もの高速バス運行事業は必要なのか、と質問しました。

当局は、続ける、とのことですが、
いま1台あたり4人しか乗車しておらず、
今期の見積もりは目標で、バス1台あたり8.3人というバス事業に、
3700万円もの税金を投入する、その適正な根拠は、あるのでしょうか。採算ベースは24人なんです。

◎今回の予算案では、東郷東小学校の運動場の雨漏りなどの修繕する予定であり、私は評価しますが、市内には、他に、同じような大規模修繕が必要な学校施設があり、一気に行うべきではないでしょうか?

再三、私は、要望していますが、千郷中学校のプールはボロボロで、生徒がケガをしています。

市当局は「順次やっていく」とのことですが、市民のみなさんの我慢は、かなり限界のところまできています。

市民からは「学校の修繕の順番に不公平感を感じる」(地域間の格差)という声まで聞こえてきます。

やはり危険が及んでいる施設は、一刻も早く整備する必要があると思います

私は、新城市政は、
もっと、市民のみなさんの暮らし、福祉、医療、子どもたちの教育向上によりそった、本市独自の施策があってもいいのではないか、と思いました。

私の一般質問では、
本市の「子どもの貧困」にかかわって、世帯年収の落ち込み・引きこもり(不登校)の深刻さ、

新城市民病院の診療科の後退、
そして環境を悪化させている産廃の悪臭問題などが、数値とデータで浮き彫りになったと思います。

穂積市長の「予算大綱説明」、平成29年度予算案には、
私が、問いかけた、格差・貧困の是正、医療・福祉の充実、環境・教育を守るという観点からの具体的な施策が乏しいのであります。

「世界新城アライアンス会議」「高速バス事業」など、はなばなしいイベントを行っているが、もっと市内の小中学校の老朽化施設の問題や子どもの貧困問題を見てほしい。もっと、人口流出を止める市独自の政策が欲しいという声も、私のところには寄せられています。

以上、本市の市民のみなさんが、苦しい経済状況納税者中で、必死で納めている税金は、
もっと、もっと、市民のみなさんの暮らし向上に直結するかたちで、投じられるべきだと強調しまして、反対討論といたします。

・・・

反対討論 浅尾洋平議員 加藤芳夫議員 
賛成討論 山口洋一議員 山崎祐一議員 
(※事前に討論通告を提出して討論した議員) 





今日も、ご訪問ありがとうございます。



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プロフィール
浅尾洋平
浅尾洋平
浅尾洋平(あさお ようへい)

1977年生まれ。
千郷小・千郷中・豊川高校卒
豊橋市立看護専門学校卒
1998年〜2009年豊橋市民病院、育児休暇取得。救命センターICU・手術室を経験
2009年〜2012年新城市民病院で看護師として勤務し退職。JPTEC認定取得(外傷病院前救護処置)
2011年度 新城市省エネコンテスト 削減率部門第3位受賞。日本共産党新城市福祉・子育て対策室長 2013年 新城市議に初当選し 現在3期目。
家族は妻、1男1女